2010年12月のことば


◇異性
  
   異性とは
  異性とは 足らないものを埋める相手

  異性とは
  異性とは 足らないものを補う相手


  異性とは
  異性とは 惹かれあう磁石のNとS

ビ-ゲンセンのワンポイント

◇希望

  ある時絶望し
   自分を罵り
   周りを罵倒し
   世間を呪った


  何年か経ち
   あれは何だったのと
   苦笑いする


  絶望の後に
   希望を見出し
   希望が絶望を薄めてくれる


  人生って


  この繰り返し

あるできごと

◇偶然の出会い

 十八楼に宿泊した際の、偶然の出会いを思い出した。
 夕食前に鵜飼い見物に行こうとフロントを通った時だった。何気なく宿泊の立看板をみると”出版梓会”の文字が目に飛び込んきた。文字通りその看板だけ大きく際立って見えたのだ。40年余も出版界に身を置いた身だから、どこにいても”出版”の文字だけは意識してしまう。顔見知りの何人かはいるだろうと思った。
 夕食後、梓会貸し切りのカラオケルームを覗いたが、その場には顔見知りはいなかった。翌朝、温泉の湯煙の中でそれらしき人物を見たが、煙っているうえに眼鏡をかけていないため、今1つ確信が持てなかった。朝食バイキングの大会場へ同級生を捜しながら入った。すると先方から呼ぶ声がした。
 児童書出版の社長、文芸出版の社長、人文書の二代目社長、営業部長諸氏が、テーブルを囲んで朝食の最中だった。「どうしたの?」という問いかけに、「小学校の同窓会に来たんですよ」と答える。「そういえば出身は岐阜県でしたよね」と納得の体であった。朝食が終わっての帰りしな、児童書の社長は「どこの学校なんですって」と聞く。「小柴さんで有名な神岡カンデの神岡町出身ですよ。修学旅行できた岐阜市で同窓会を開いたんです」と答える。
 僕は行かなかったが、同窓会も出版グループもロープウエイで金華山に登った。それにしても奇縁。数ある旅館やホテルの中で同じ旅館に宿泊、曜日もよりによって木曜日、これを奇縁といわずして何という。

2010年11月のことば

◇共有 

    自分ひとりでは 地球に
    生存することはできない

    人間はもちろんのこと 
    動物も 植物も 地球に住む全てのものが
  
    生存を共有する

ビーゲン センのワンポイント

◇夢の世界

   夢っていいなあ!
  だって だれにも迷惑をかけないもの

  いつも 真っさらな物語をみるんだ
  夢の世界は
  ワクワク・ドキドキ さ

  ほら 今朝の顔 ハレバレしてるでしょ!

あるできごと

◇同窓会

 小学校の同窓会があった。
 修学旅行で行った、岐阜市の長良橋近辺で行うことになった同窓会は、十八楼という江戸時代から続く老舗の旅館だった。当時、橋を越えた金華山の麓の旅館に泊まったと記憶しているが、それがどの旅館かは不明だ。
 全校で200人足らず、同窓生は約40人の小さな小学校である。その内の16人、女性が12人、男性4人が参加した。女性はほとんどが主婦、定年を越えた男性は、僕を含めた二人が現役だ。僕の偏見だろうが、リターヤー組から異人に見られているような気がしてならなかった。偉人ではなく間違いなく異人である。老後はのんびり暮らす風潮のさなか、さもありなんとは思うが、団塊の世代としては”のんびり暮らす”ほうに違和感を感じる。
 それはさておき、会話は身近な生活のことが主だった。”夢を語る”などは望まず、世間話と懐古話に花が咲いた。この会の仕掛け人の女性が、実家から出てきたから持ってきたと、5年生と6年生の文集「かざぐるま」を回覧した。僕は、5年生に「初雪」という作文を、6年生に「星」という詩を書いていた。書いたことすら記憶にない55年前との対面だ。
 いやぁ、びっくりした。書き方も、書いている内容も、今と同じではないか。間違いなく僕のDNAだ。DNAとみれば面白いが、作品と捉えれば、全く進歩がないのである。当初は会の雰囲気に溶け込めにくかったが、過去に巡り会えたことで衣を脱ぎ捨て、僕も懐古に浸った。
 55年前にタイムスリップできたことが、現在の自分をみつめ直すいい機会になった。物を見る視点のブレの無さを由としよう。これが同窓会に参加した大きなプラスだった。

2010年10月のことば

◇ 好奇心



 そう ぼくにあるのは 好奇心
 あれもこれも みんな知りたい 好奇心


 未知を探れば奥深く
 深さを測れば華やぎ
 華やぎをたどれば 


 好奇心が芽生える

ビーゲン センのワンポイント

生気


  朝起きて目が醒め
 血流が身体を駆け巡ると
 
 身体の芯からフツフツと
 生気が沸きあがってくる


 アーア 今日も生かされているんだ
 自分に与えられた役目があるんだ と

あるできごと

◇愛する人に贈る光りの絵ライブ

 9月の”あるできごと”に「和代人平ライブ・ペンティング『光り絵~夏の夜空の物語~」のことを書いた。今回はその第2弾である。当日のライブに参加した男性が、次に起こした粋な話である。
 彼が計画したのは、愛する人とライブを見て、その場でプロポーズすることだった。その彼がホールの予約に来た。担当からは、テレビ番組のプロポーズ作戦のようなイベントですよ、聞いていた。二人でライブを見ながらプロポーズする、そのためにホールを予約しに来たとは考えもしなかった。
 ライブが終わった後で聞いた話だ。彼と彼女、そのお姉さん、この三人がライブを見たそうだ。そして予定どおり彼が彼女にプロポーズ。彼女もそのお姉さんも感激し、涙を流しながら見たという。
 粋なことをするじゃないの彼は。僕には思いもつかない企画と手段だ。迫力ある光り絵といい、適当な広さのホールいい、相手の心を掴むにはぴったり。皆さんどうですか、このすばらしい企画を愛する人に利用しては?。
 驚きのホール利用法を教えてもらった。感謝!

2010年9月のことば

◇教えて


 何が正しくて 何が不正義なのか
 よくわかりません


  世の中が混沌として 曇っています
 だから すっきりとしないのです


 知っている人は 誰でもいいから
 教えてほしい 


 正義を!

ビーゲン センのワンポイント

◇痛み
 
  知っていますか?
   自分が弱いと思っていても
   自分より弱い人が もっともっといます


 その人たちの痛みを どれだけ思いやれるか?
   その人たちに役立つ 何かができないか?


   いつも
 そういう痛みがわかる人でありたい

あるできごと

◇光り絵


 7月17日に絵本塾ホールで行われた、「和代人平ライブ・ペンティング『光り絵~夏の夜空の物語~」を見た。”光り絵”とは、和代人平氏が考案した光りのパフォマンスだ。暗転の室内で様々なライトを使って描かれる幻想的な光りの芸術である。
 大きなスクリーンに物語に副って情景が次々と描かれる。描かれた時点から絵の光りが弱くなり、5分もすると消えていく。消えたスクリーンに次の情景が描かれるが、光りの強弱と絵の大小がうまくコントラストして、一大叙情画が展開するのである。文字通り息も吐かせず、緊張の60分だった。終演後の和代氏は、汗だくだくで20分たっても汗が引かなく、ストーリーの展開場面を描き続ける、そのエネルギーの凄まじさを知った。”芸術は暴発だ”の実証でもある。
 心に残ったのは、この”光り絵”が人生そのものを思わせたことだった。人が生きるってことも、何かに追われながら、または追いかけながら膨大なエネルギーを必要としている。結局、生きるってことは、日常の繰り返しに他ならない。
 この”光り絵”のようにである。

2010年8月のことば

◇はじける魂


 生き生きと
 生き生きと
 生き生きと


 顔と心が弾む
 心と足が踊る
 足と頭が回りだす


 息をするだけで清々しくなる
 伸びをするだけで神経が反応する
 声を出すだけで魂がはじける

ビーゲン センのワンポイント

◇未来

 
 夢の数だけ希望があり
 希望の数だけ夢がある
 夢を見よう
 
 おさなき子は夢を見よう


 夢を見る子どもは心が広くなる
 夢を見る子どもは心が柔らかになる
 夢を見る子どもは未来に向かって羽ばたく

あるできごと

◇僕の決断

 あるとき、僕は仕事の手が空き心に空洞ができた。その際に、仕事に向けていたエネルギーで絵本の文を書き始めた。刊行された絵本は、読んだ読者から余りの人間くささにへきへきしてしまうと言われ、子ども達からは内容が難しく面白くないと拒絶された。 
 意気揚々として仕上げた作品だったが、反応の悪さに自信を失いかけた。それを払拭してくれたのが、鳥取県O小学校のN君である。彼が「にじになったさかな」の感想文を書き、鳥取県知事賞を受賞した。後で聞くと、授業で習った“ぜんあくの判断をつけるために人間は勉強している”という先生の教えと絵本の内容を結び付け、感想文に書いたのだった。この内容が子どもたちにも伝わるのだと、一気に自信を深めた。書き手としてはここまで読み取ってもらえれば本望である。1作目の「にじになったさかな」を読んでくれたN君に感謝し、自信を深めて絵本作家の道を選択したのだ。
 何よりも人間性を大切にする教育がなされていること。近年、若年者の悲惨な事件が連発しているが、そことの違いが何なのか、その真相を知りたいと思った。そこでN君とO小学校へお礼として、二作目、三作目と、絵本を送った。すぐさま校長先生から温かい返事と子ども達の絵便りが寄せられた。こうしてO小学校との交流が現在も続いているのである。
 交流を通して、その学校に教育の原点を見いだした。そこには、僕の考える教育があり人間の感情がある。三十人足らずの小さな学校だが、その子ども達に何かしてあげたいと日々強く思うようになったのだ。いまの日本にこのような学校教育があるのが嬉しい。この子ども達の活躍に心が休まり、期待するのである。

2010年7月のことば

生き方

 バカといわれようと正直に生きたい 
 それを貫き通すしかないのだ


 自分に似合う、最も自分らしい生き方だから

ビーゲン センのワンポイント

 

  夢は見るものではなく口にするもの
  口にすれば目標になる


  目標になるから努力して追い求める
  追い求めるから道ができる


  道ができるから実現する
  実現するから心が豊かになる


  それが”幸せ”という人間の楽園

あるできごと

生涯探究心
 新幹線出口を見るとそこには懐かしい顔があった。一瞬別人かと思ったが、一回り小さくなった当人だった。
 Y氏とはたぶん17,18年の付き合いになるだろう。二人がある団体の地方説明会担当になり、電車が一緒だったのが出会いである。Y氏は十歳年下の僕にどう対応したらいいか迷ったという。一気に溝を埋めたのが共に韓国通だったことだ。Y氏がヘッドホーンで熱心に聞いていたのが韓国語の会話で、韓国語の勉強中だった。当時僕は韓国事情に興味があり、「スカートの風」という本を切っかけに脱北者の手記やルポルタージュ、韓国案内の本を数多く読んでいた。お互いが韓国に関心を持っているのが分かり溝が埋まって、今日まで交誼が続いているのである。
 似ていると言えばこれほど似ている当人同士はあるまいと、僕は思う。生涯探究心を持ち、常に何かに関わっていたいという人生哲学も全く同じだ。後期高齢者になったら夫婦で旅行する人たちは多いが、さらさらその気がないのも同じだ。売れればどんな出版物でもいいとは考えないのも同じである。そして何よりも共感できるのは「ズルや不正直、悪は許さない」という信念である。これだけでも尊敬するに値するし、僕が先生と慕う価値がある。
 僕の書く絵本にアドバイスをもらった。僕が考えている子どもたちへのメッセージを、絵本を通じてどう伝えられるかが今後の絵本の成功を決めるというものだ。理屈や理由は分かっていても具現化するのは並大抵ではない。でもこのアドバイスを胸に日々精進しようと思う。
 五年ぶりにあった大先輩の言葉を聞いて前途が開けたのは事実である。久しぶりに血が燃えたのだった。

2010年6月のことば

引退
「生き方に引退はありません」
海外で医療奉仕に励む83歳女医の言葉
自分で生き方に限界をつけがちだが
何という女医の精神力、ただただ頭が下がる

ビーゲン センのワンポイント

才能
子どもはみな才能を持って生まれる
天才といっていいほどの才能だ

いつの間にか歩き 
いつの間にか自転車に乗り
いつの間にか1人で電車に乗り
いつの間にか遠くの学校へ通う
いつの間にか生き方を覚え
いつの間にか恋をし
いつの間にか家を構え
いつの間にか人類を引き継ぐ

生き方のレールを外れるのは何故なんだろう
きっと「キカンボウ」という「つっかい棒」が入り
考え方が硬くなったせいなんだ

あるできごと

故郷 
 10年ぶりの故郷は様変わりしていた。
 故郷の駅に降りたのは雨降りの午後9時頃だった。100人余の通勤客に混じり、五階のプラ ットホームを
下ってニ階の改札を抜けた。出口をくぐるとの先の風景は様変わりしていた。歩道橋が斜め前方の道路反対側へ、駅前広場を越えて伸びていた。 薄明かりの、誰もいない歩道橋を先に進むと、左奥の2~3百メートル先に四十階余の高層ビルがそびえていた。 振り返れば巨大な駅は堂々としていて、その全貌は全国でも上位に入る見栄えだった。
 翌日友人の車で中心街を抜け、大学付属病院の跡地の際にある会館に入った。丁度お昼時だったが、客は一人だけ、そして我々を加えた三人だけだ。「病院が移転してからここも 寂れた。昔は大勢の人が利用したもんだ」と、友人が言った。
 「司という喫茶店があってよく入ったよ」
 「まだあるよ。でも飲食街もどこもかしこも変わった。昔の面影はもうない。東西南北に大型ショップができ、ほとんどの人は車でそっちへ行くんだ。だからますます中心街は寂れていくのさ」
 なぁーんだ僕と同じか。僕は見かけが五十代でも内実は年相応なんだ。家ではあっちが痛いこっちが痛いとシップ薬を貼り、やっとで生きながらえている。表玄関の駅を見れば、市は元気はつらつと輝いているようにみえるが、内実は寂れていく一方なんだ。
 相哀れみ、ご無沙汰の年月を飛び越え、ジワッと親近感が湧いてきた。お互いに頑張ろうって。



贈呈式
 6月中旬のある日、前職の社屋で図書館振興財団助成事業の助成金贈呈式があった。今回の助成事業は16件、助成金は約6820万円である。助成を受ける方々、団体、来賓、関連会社社員が出席していたが、思いの他小人数だった。財団の理事・評議員の出席は4名である。
 助成事業選考の総評があった。なるほどと思いながら聞いたのは次の言葉だ。「図書館をこうしたい、こう替えていきたいという運営の信念や経営理念を持った応募がなく、目先の事業に絞った応募が多いのは残念だった」というものである。さらに「今風の考えが出たものだろうが、もう少し図書館運営の長期的な展望がほしい」との話もあった。
 何もこの贈呈式だけではなく、日本中の誰もが目先のことに捉われている。日本という国の余裕かもしれないし、日本に絶望している現れかもしれない。が、無理して冒険しなくなったのは本当らしい。ある記事によれば、三十代の独身男性は植物系男子といわれ、女性との付き合いを望まなく、会社の社長になる夢も持たないという。僕等の団塊世代は、家庭のことは女房にまかせきりだったが、会社人間としては猛烈だった。会社同士の競争、同僚との競争に精力を注いだものだ。一戸建ての家に住み、格好いい車に乗ることを思いながらいつも働いた。そして、今の日本がある。
 政治家をみても政党をみても、その論争をみても、どこにも展望などはない。あるのは相手のあげ足を取ることだけだ。政治に展望なくして、庶民に展望がないと嘆いてみても始まるまい。いま必要なのは日本を救うジャンヌダルクなんだ。その出現が待ち遠しいのは僕だけはあるまい。 

2010年5月のことば

天は公平

天はよくみています
天は頑張る人を見捨てません

ビーゲン センのワンポイント

記憶
人が憎いのではない
記憶が憎いのだ

記憶が消えれば
憎さも消える

あるできごと

コンテナ菜園
 屋上にコンテナを用意して野菜づくりにチャレンジする。今年取り組む予定に、「野菜づくり」「デジタルカメラ」「英会話」がある。そこで前記二つにチャレンジするために、NHKの通信講座「コンテナ菜園を楽しむ」と「写真上達のコツ 入門編」を申し込んだ。まずは野菜づくりに取り掛かり、NHKから送られてきた3種類の野菜の種を5月1日に、買ってきた10種類の野菜と5種類の花の種を8日に蒔いた。
 「忙しいのにそんなことできるの、買った方が安いんじゃない」との手厳しい声が聞こえる。一人何役と忙しい毎日を過ごしているのは事実。だが忙しいからこそ全く違うことにチャレンジしたいのだ。日々の予定を頭に描き、その予定に従い夕方にはコンテナ菜園に向かう。土曜日は野菜作りの日だ。この切り替えが何にも替えがたいリフレッシュの時間となる。
 2週間後には結果がでる。絵本の制作も野菜づくりも何かが共通する。それは誕生!楽しみだ。

2010年4月のことば

生命

万物は、生まれた時が消滅のスタート
その長短
は、日常の切磋琢磨の差

ビーゲン センのワンポイント

考える
きみはなんだ!
きみはなんだ!
きみはなんだ!と
てんから ゆびをさされる

だから いつも いつも
ぼくは かんがえる

どうしたらいいか
どうするべきか
どうあるべきか

でも こたえはでない
きょうも また きのうと おんなじくりかえし!

あるできごと

ジュニアミュージカル
 3月末の日曜日のことだ。
 新橋のヤクルトホールにでかけ、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」より「ジョバンニの翼」と題したミュージカルを見た。これはサムシングエンターテイメント代表の星野隆氏が、作・演出・振付をした作品だが、出演者の大半が子どもだった。つまり、ジュニアミュージカルである。
 生と死の世界を行き来するストーリーなので、子どもたちはその両世界の何役かを兼ねて出演した。発声・セリフ・歌のどれもが観客を魅了した。星野氏によれば、この子役達は全員素人だという。公演のたびにレッスン生を募集し、短期間でしっかりした基本を習得させるのだそうだ。
 練習の集大成がこのミュージカルなのである。それにしても、短期間によくこのレベルにまで達したものだ、と感心した。身内や親族がこぞって応援に来ていたが、応援したくなるだけの魅力を持つ舞台だ。制作者の技量もだが、子どもたちの無限の能力に、感激した一時だった。

2010年3月のことば

働く

  自分のためではなく人のため

  働くは、ハタラク 傍(人)を楽にするため

ビーゲンセンのワンポイント

 やり直し
 やり直しはできない
 二度と時は戻らないから

 でも出直しはできる
 反省すれば最上の方法をみつけることができるから

あるできごと

DVD絵本語りの収録

DVD絵本の語りの収録に立ち会った。プロデューサーは責任者が来ましたと紹介したが、作者として紹介しないのはちょっと不満。ダメ出しするのに憶するからだ。
会社のオープンセレモニーの司会をしたアナウンサーを語り手に決めたのは僕だ。もし語りが成功しないとミスキャストの責任が生ずる。だからどうしても立ち会いたい。 一部に声の大きさとアクセントの修正があったが、概ね順調に収録が進んだ。最後の最後にきて、ワンフレーズの語りが気になり、15回ほどダメ出しし繰り返してもらった。
ようやく納得できる語りになりOK。その間気分を害することなく、黙々とワンフレーズを繰り返してくれた。そこに彼女のプロ根性を見た。次も、と思った。

2010年2月のことば



  それは、人間に与えられる試練

  それは、人間に課せられる進化のプロセス

ビーゲンセンのワンポイント

 鼓動を聞く
 羨ましいと思うのは、いつも自分が一番だと威張っていたから
 羨ましいと思うのは、いつも自分が一番強いと信じていたから
 羨ましいと思うのは、いつも地球が自分を中心に回っていると思っていたから
 羨ましいと思うのは、いつも自分にみなぎる自信がなかったから

 己を捨てて自然の中に身を投げ出してみよう
 みんなの後ろに下がってみよう
 下がった後で空を見上げてみよう
 風景が違って見えてくるから

 ほら、動いている地球の鼓動が聞こえてきたよ

あるできごと

素晴らしい子どもタレント

「なんのいろ」のDVD絵本に歌とダンスを入れる出演者のオーディションを行った。
制作責任者・書き手として審査に参加。
プロダクションから来た17名の子どもタレントは、元気はつらつと折り目正しく、その行動にはビックリ仰天。全員がどうどうと名乗り、質問にテキパキと答え、「英会話を習っています」「ボイスレッスンを受けています」
「○○にでました」「○×が得意 です」など、甲乙つけがたい力量の持ち主。中から7名を決めた。
合否の分かれ目になったのは、手足の指の先まで神経が行き届いたダンスだったかどうかだ。
作り手の意図を即座にくみ取り、それを自分のものとして表現する、それは強い自我の表現でもある。

将来性のある子どもタレントに乾杯。頑張ってね、とエールを送った。

2010年1月のことば

生きる

 敏感を捨てて 鈍感に生きよう
 鈍感からみえてくるものに安心が宿る

ビーゲンセンのワンポイント

 欲望
 欲望とは、際限のない時間みたいなもの

 欲望とは、穴のあいたヤカンのようなもの

 欲望とは、破れ太鼓の音のようなもの

あるできごと

一流のたいやき屋

 会社の近くにその名も高い高級レストランがあるが、入ったことはない。昼は幾らでディナーは幾らと  
 かで、敷居が高い。会社が軌道に乗ったら皆で行くつもり。

 その前を先へ行くとたいやき屋がある。いつも20人くらいが並ぶ繁盛店である。あんこは、やや甘く
 やや塩からく、しっぽまでぎっしりと詰まっていて、大人でも1尾食べれば満腹になる。
 並んで買い、知り合いへのお土産にしたが、当人は「全部奥さんと子どもに食べられた。」と悔しがっ
 ていた。本当に美味なたいやきなんだ。

 たかが「たいやき屋」、されど「たいやき屋」。4~5人が、あんこ詰め、たいやき、その検品、接客と
 分業し、流れ作業で作っている。根強いリピーターを持つ、れっきとした企業だ。

 物が一流なら、参加する人も一流ってこと、かな。