あるできごと

ジュニアミュージカル
 3月末の日曜日のことだ。
 新橋のヤクルトホールにでかけ、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」より「ジョバンニの翼」と題したミュージカルを見た。これはサムシングエンターテイメント代表の星野隆氏が、作・演出・振付をした作品だが、出演者の大半が子どもだった。つまり、ジュニアミュージカルである。
 生と死の世界を行き来するストーリーなので、子どもたちはその両世界の何役かを兼ねて出演した。発声・セリフ・歌のどれもが観客を魅了した。星野氏によれば、この子役達は全員素人だという。公演のたびにレッスン生を募集し、短期間でしっかりした基本を習得させるのだそうだ。
 練習の集大成がこのミュージカルなのである。それにしても、短期間によくこのレベルにまで達したものだ、と感心した。身内や親族がこぞって応援に来ていたが、応援したくなるだけの魅力を持つ舞台だ。制作者の技量もだが、子どもたちの無限の能力に、感激した一時だった。