あるできごと 愉快な結婚式

◇愉快な結婚式
 年を取ってくると結婚式に呼ばれなくなる。そればかりか結婚式を行わない夫婦が増えて益々呼ばれることが減ってきた。つい先だって三十代の若き経営者と面談した折り、子どもを幼稚園に送り駆けつけて来た。「大変ですね」というと、「三十代は半分しか結婚していませんよ。子育ては大変ですから」と言っていた。
 久々に結婚式に呼ばれた。甥の結婚式である。結婚式は披露宴も含めて平均的な内容であった。この式で愉快で感動したのは子どもの多さである。約60人の参加の内子どもが15人いた。やっぱり子どもが多い方が華やぎ落ち着く。華やぐといっても色気という意味ではない。活気が溢れているいう意味である。
 僕は甥の主賓だったので主賓の挨拶をしたが、自分の書いた絵本のお客が15名もいて嬉しいと話した。花嫁の兄弟が5人おり4名は既に結婚、4人で13人の子どもがいるのである。5名、3名、3名、2名の子沢山である(新郎側の子どもは2人だったが)。何とも楽しく愉快な光景だった。
 つい50年ほど前まではこの光景は普通だった。結婚したがらない世代が増えたことも事実だし、結婚しなくても生きていける世の中になったのも事実だ。でも親に次世代の子どもがいないのは、淋しい風景に写る映る。
 もう遅しだが、2人ではなく3人か4人の子どもを持つべきだったなと、ちょっと残念に思いながら我が身を振り返った一時だった。